樹木医師の一年中緑色の芝生の作り方
はじめに
サッカー場やゴルフ場は一年中緑色の芝生。
それにはちゃんとした理由があります。
今回はコウライシバの芝生を一年中緑の芝生にするやり方を書きます。
😁コウライシバは冬になると、活動を止めて休眠期に入ります。冬の間は枯れて芝生が
茶色になります。春には新しい芽が出ます。
😁冬の間は寂しいので芝生を新たに張る方も最近減りました。
😁秋にコウライシバの上に一年中緑の西洋芝の種をまいて、冬の間は西洋芝を楽しむと
いうことです。この方法を「ウインターオバーシーディング」といいます。
😁翌年の初夏には元のコウライシバの芝生に戻します。強制的に戻すこの作業を「トラ
ンジション」といいます。
😁「ウインターオバーシーディング」と「トランジション」をおこなうことで、一年中
緑の芝生ができます。
😁この作業は毎年繰り返さなければならないので、結構な手間です。
😁手間をかけるだけあって、奇麗な芝生になります。
😁「ウインターオバーシーディング」のタネまき方法は、ベースとなるコウライシバを
高さ1㎝程に短く刈り込みます。
😁刈った芝生とサッチ(枯葉の層)をレーキでキレイにかき出します。
😁地表面が見える状態にします。
😁必要なタネの量を用意します。家庭では、オバーシーディングとトランジションがス
ムーズに行える、オバーシーディング専用の『ペレニアルライグラス』や一年生の『アニュアルライグラス』をおすすめします。
😁タネの量は西洋芝だけで芝生をつくるときと同量です。ライグラスなら1㎡当たり
40g程度タネをまきます。
【ペレニアルライグラス】
・耐寒性:弱い ・耐暑性:弱い ・耐陰性:中 ・耐湿性弱い
【アニュアルライグラス】
・耐寒性:弱い ・耐暑性:極弱い ・耐陰性:中 ・耐湿性弱い
😁所定量のタネを均一にまく。少量ずつ2往復ぐらい撒くのが良い。
😁5㎜目のふるいを使用して、厚さ2~3㎜程度に覆土する。レーキやトンボで均一の厚
さにならす。
😁土やタネが飛ばないように、優しく十分に水を与える。
😁タネまき後は1~2日ごとに水やりを行い、1~2週間で発芽したあとも、しばらくは
十分な水やりを続けます。
😁芽が5㎝を超える長さになったら、週1回刈り高3~5㎝に刈り込みします。
😁発芽後から月一回、化成肥料を1㎡当たり20~30g施します。
😁春先までは、西洋芝の管理に準じます。5~6月に、元のコウライシバの芝生に戻しま
す。
😁3月になったら、肥料を与えるのを止め、ライグラスの生育を抑えます。
『トランジション』
😁ライグラスを刈り高1~1.5㎝の強い刈込をします。ライグラスを衰退させるために、
水やりを控えます。
😁コウライシバの芽を確認したら、化成肥料を1㎡当たり50g程度施します。
😁気温が上がれば、コウライシバが優勢になります。
😁この作業を繰り返しおこなえば一年中緑の芝になります。
まとめ
「NHK趣味の園芸よくわかる栽培12か月 芝生」を引用しました。この本では混植シバで手間をかけずに一年中緑の芝生の作り方も、詳しく書いてあります。