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樹木医師のピーマンに毒がある!!植物のアルカノイド

 

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はじめに

昔、ピーマンはアルカノイドという毒を含んでいて、野生の動物は食べないと聞きましたが、人間には毒に耐性があり食べらるようです。

ピーマンに含まれる「クェルシトリン」がピーマンの苦味成分であることが解明されています。クェルシトリンは、フラボノイドの一種ですが、フラボノイドは天然に存在する有機化合物群で、クマル酸COAとマロニルCOAが重合してできるカルコンから発生する植物二次代謝物、この物質が、ポリフェノールです。二次代謝産物は植物の感染防御やその他種間の防除に重要な役割を果たしている場合が多いです。

 

葉の硬化やトゲ、剛毛などによる物理的防御。アルカノイドやフェノール類などの毒物の生産による科学的防御。植物が一定の代価(栄養物質や密の分泌)を払ってアリを雇い、植食者を追い払わせる、生物的防御などの植物は植食性昆虫に対する単一もしくは複合的な防衛手段を備えています。

植物は、動物や昆虫から食害をうけないために、進化の過程でさまざまな物質を獲得してきました。

 

ピロリジジンアルカノイド

ピロリジジンを基本骨格とするアルカノイドです。「ムラサキ科」「キク科」「ラン科」「マメ科」などの一部の植物に含まれています。600種以上の種類があります。その一部にはとても強い毒性があり、肝障害の原因となることが知られています。人では確認されておりませんが、動物実験では発がん性があるものもあることが報告されています。

農林水産省による実態調査の結果から、以下の食品に含まれる場合があることが報告されています。

・キク科やムラサキ科等の植物の一部(例:フキ、ツワブキ、バターバー、コンフリーなど)

ハーブティー等の茶類やサラダミックスなど

・はちみつ、花粉荷(ビーポーレン)などのミツバチ生産物

また、飼料がピロリジジンアルカノイド類に汚染されていた場合、乳や卵からも極めて低い濃度で検出される場合が報告されています。

 

ピロリジジンアルカノイド類を含む植物が雑草として農地や園地に侵入し、食用の植物と間違って収穫されたり、食用の植物に混じって収穫されたりするために、食品に含まれることがあります。つばき科つばき属のチャノキに、ピロリジジンアルカノイド類が含まれるという報告はありません。

キク科のアザミ属やムラサキ科のエキウム属など、ミツバチが蜜源として好む植物にもピロリジジンアルカノイド類を含むものがあることが知られています。ミツバチが、そのような植物から花蜜や花粉を集めてしまうことがあるからです。

 

2015年に、ピロリジジンアルカノイド類について、ラットが最も感受性の高い動物種で、肝臓が最も感受性の高い臓器であると報告しています。また、人も、同様にピロリジジンアルカノイド類に感受性が高いとしています。

健康に影響をあるかどうかは、食品に含まれるピロリジジンアルカノイド類とその毒性の種類や強さ、その含有濃度、食品の摂取量や頻度によります。なお、日本国内で食品中のピロリジジンアルカノイド類による健康被害は、これまで報告されていません。

 

「食品中のピロリジジンアルカノイド類に関するQ&A:農林水産省農林水産省のホームページを引用文献としました。

 

 

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アルカノイド

窒素原子を含み、ほとんどの場合塩基性を示す天然由来の有機化合物の総称です。アルカノイドは、微生物、真菌、植物、両生類などの動物を含む非常にさまざまな生物によって生産されます。多くのアルカノイドは他の生物に対して有毒で、薬理作用を示し、医薬や娯楽のための麻薬としてや、幻覚儀式において使用されます。

 

生薬をはじめ、アルカノイド含有植物の医学的使用には長い歴史があり、ゆえに、19世紀に最初のアルカノイドが単離された時、ただちに臨床診療における応用が見出され、多くのアルカノイドはいまだに医薬品として、利用されています。

 

・アジュマリン:抵不整脈

・アトロピン、スコポラミン、ヒオスシアミン:抗コリン

・ビンブラスチン、ビンクリスチン:抗腫瘍

・ビンカミン:血管拡張、高血圧症治療

コデイン:鎮咳去痰薬

・コカイン:麻酔薬

・コルヒチン:痛風の治療薬

モルヒネ:鎮痛

・レセルピン:高血圧治療

・ツボクラリン:筋弛暖

・フィゾスチグミン:アセチルコリンエステラーゼ阻害剤

キニジン:坑不整脈

キニーネ:解熱、抗マラリア

・エチメン:抗原虫薬

・麦角アルカノイド:アドレナリン作動薬、血管拡張、高血圧治療

 

アルカノイドの例』

・アコニチン:トリカブトに含まれる猛毒成分

・アトロピン:ベラドンナなどのナス科植物に含まれる猛毒成分。パーキンソン病、サ

       リン、VXガス中毒の治療に使われる

・アリストロキア酸:ウマノスズクサ類に含まれる

・アレコリン:ビンロウに含まれる。興奮、刺激、食欲の抑制作用あり

エフェドリン:麻黄に含まれる。鎮咳効果あり

・カフェイン:コーヒー豆、緑茶、紅茶、カカオに含まれる。中枢神経興奮作用あり

キニーネ:キナの皮に含まれる。マラニアの特効薬として使われる

・クラーレ:アマゾンで矢毒としつかわれていた

・コカイン:コカから抽出。中枢神経興奮作用あり

・コルヒチン:痛風の特効薬

・シロシビン:シビレタケ属、ヒカゲタケ属に含まれる。成分

・スコポラミン:ナス科ハシリドコロなどに含まれる成分。交感神経制御。主に乗り物

 酔い止め薬として使われる

・スワインソニンアメリカホドイモの莢に含まれる成分

・ストリキニーネ:マチンに含まれる成分

ソラニン:ジャガイモの芽や皮に含まれる

・タキシン:イチイの果肉を除く部分に含まれる

・テオフィリン:利尿薬、気管支喘息治療薬

・テオブロミン:カカオに含まれる成分

テトロドトキシン:フグなどが持つ猛毒成分

・トマチン:トマトの花、葉、茎、末塾果実に含まれる。トマトの害虫忌避成分。人体

 へは腹痛下痢等の症状

ドーパミン:覚醒アミン

・ニコチン:タバコ草に含まれる

・ビカンアルカロイドニチニチソウに含まれる。10種以上のアルカノイドの総称。ビ

 ンクリスチン、ビンブラスチンなどには細胞分裂阻害作用があり抗がん剤として用い

 られる

・ベルベリン:キンポウゲ科オウレン、ミカン科キハダの成分。止瀉薬として使われる

モルヒネ:アヘンやり抽出されるオピオイド。中枢神経制御、鎮痛効果あり

・リコリン:ヒガンバナ科の植物に含まれる毒、ヒガンバナ自身はガランタミンも含有

・サマンダリン:主にイモリ科のファイアサラマンダーの皮脂腺に含まれる

アルカロイド出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』を引用しました。

 

まとめ

人間は植物の二次代謝物を古来より活用してきました。狩りには植物から抽出した毒を塗った毒矢を利用し、病気の際は細菌を殺す薬効のある植物を煎じて飲んだりしてきました。

秦の始皇帝が不老不死の薬を東洋に求めたという話がありますが、一説では紀州にある天台烏薬という木だという伝説があります。

昔から植物には神が宿るなど、不思議な力があるとされてきました。まだまだ解明されてないことが多くあります。もしかしたら、植物に不老不死の物質があるかもしれませんね。

 
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