樹木医師が教える、造園家を目指す人に読んでもらいたい本「石積作法」
はじめに
私が造園家を志すきっかけは幾つかあります。
その一つは、石積の技術を身に着けるためです。
小さい頃から、城の石垣を見るたびに、「大きさ」「石と石の隙間」「美しさ」パズルの様な石垣に、子供心にいつか、石垣を作ってみたいと思っていました。
近年、「ブロック」「間知石」などが多く用いられ、家を新しく建てて、家回りや庭で「石垣」「石積」を求める方も少なくなった。
「石垣」「石積」が施工されなくなった理由は、幾つかありますが、古くからの日本の文化を担ってきた技術である事には違いありません。
これから、造園家を目指す方にぜひ、「石積作法」の本を読んでもらい。
本の中で、石垣が生活の一部になっている村を紹介されている。
村の人は「どの村も石を積まなくては生きていけないほど自然は厳しく、手を抜けば石は崩れ、暮らしが破堤する」という。
山の斜面に石を築き上、家を建て、冬の季節風の冷たい塩風から家々を守るため、軒近くまで石垣を築き上げています。
違う村では、昔先祖がこの土地に移り住んだという。
その土地は平坦な土地がなく、急傾斜な土地ばかり。
「人がこの土地でせいかつするには、急傾斜の土地を石垣で平坦な部分を確保しなければいけない」という。
これらの石垣は農家、漁民が築いたものであるが、生きるための石垣は、私がすきな「城積み」に負けていない。とても美しく、壮大である。
本の中で、「国土の7割以上を山地が占める我が国は、傾斜地を切り裂くように生活の基盤である田や畑を拓き、家を建てて生活をいとなんできた」と書いてあります。
昔から私たちの先祖は、「畑を獣から守る」「家を風から守る」などを、身近にある腐らず、強固な石。畑を広げようと開墾すれば、無尽蔵に出てくる石を利用してきた。
守るために築かれた石垣は、命がかっかているために、上手い、下手はあるだろうが、石垣を積む技術は、農民、誰しもが持っていたと思われる。
もちろん、「イラストで見る石積の基本構成」題して、「石積の名称」「石積の基本 谷積」「危険な積み方」「スタンダードな積み方」なども紹介されています。
まとめ
私はこの本を読んで、造園家は失われつつある、素晴らしい石積を継承して、石垣という造形美を庭に取り入れなければいけないと考えさせられた。(私がかけ出しのころの思い出)それが造園家としての役目だと思います。